糖質制限が危険な理由。 太りやすい体質になるばかりか深刻な病気の原因にも

   

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今年(2016年)2月、桐山秀樹さんという方が亡くなりました。

桐山さんは糖質制限の推奨者で、自らも実践していました。

桐山さんの死因は心不全でしたが、糖質制限と本当に無関係だったのでしょうか。

糖質制限は危険ではないのでしょうか?

糖尿病専門医で糖質制限に詳しい佐藤さんに聞いてみました。

実は糖質はとっても効率のよい燃料

糖質を全くとらないと、何か問題があるんでしょうか?

「国立国際医療研究センターの大規模な調査によると、糖質摂取量を通常のの30%以下に減らすと、死亡率が31%上昇したとのことです。

確かに、糖質がなくてもすぐには死にませんが・・・

糖質が足りないと、健康寿命が短くなってしまうんですね。

糖質は、身体を動かしたり、内臓を動かしたり、脳を働かせたりするためのエネルギーを作るのに、最適な燃料なんですよ。

つまり、とっても効率がいいエネルギー源なんです。」

例えれば・・・

仕事のできるやつは効率よくバンバン業務をこなして高い成果を上げるけど、

仕事のできないやつは効率が悪いから成果があまり上がらない。

人間の体も同じで、

効率の良い糖質をとっていれば、身体や脳のパフォーマンスがいいけど、

効率の良い糖質をとらないと、パフォーマンスが落ちてしまうってことなんですね。

では、糖質をとらない場合、人はどうやってエネルギーを作り出しているんでしょうか?

「糖質制限で体脂肪が燃える」はウソ?

「糖質が不足すると、次に体脂肪をエネルギー源として使おうとします。

ところが、脂肪の燃焼にも糖質が必要なので、あまり効率よく燃えないんですね。

そこで、タンパク質を分解してアミノ酸を作り、それを燃料にします。

アミノ酸からは、糖ができたりケトン体という物質ができたりしますが、いずれも、人間の生命を維持するエネルギー源として働くことができるんですよ。

原料のタンパク質は、筋肉などから供給されることになります。」

糖質が全くないと、体脂肪って燃えないんですね。

ところで、筋肉のタンパク質を分解しちゃって、筋肉は大丈夫なんですか?

糖質制限ダイエットはリバウンドしやすい

「ですから、糖質制限すると筋肉がどんどん衰えてしまうんです。

筋肉量が減少すると代謝量も減りますから、糖質制限でどんどん太りやすい体質になってしまうんですね。

糖質制限ダイエットって、リバウンドしやすいって聞いたことありませんか?

太りやすい体質になったあとで元の食事に戻してしまうと、以前より体脂肪がつきやすい状態になっているんですよ。

しかし、筋肉が減っていくというのは、もっと深刻な状況を生み出すんです。」

糖質制限ダイエットに成功した人の、実に半分以上がリバウンドを経験したという調査結果を見たことがあります。

ところで、もっと深刻な状況っていうのは?

糖質制限は心疾患と関係があるか?

「筋肉っていうと、脚や腕などの体を動かすものを想像すると思いますが・・・

心臓や胃腸も、筋肉でできているんですね。

ある調査では、糖質制限で心臓が小さくなった、なんていう報告もあるんですよ。

ですから、心臓や胃腸の機能が落ちることも考えられるんです。

糖質制限をしている人に心疾患になることが多いのも、無関係ではないと思いますね。」

糖質制限って、やっぱり心不全と関係がありそうです。

ところで、糖質制限で胃腸の調子も悪くなるんですか?

腸の働きの悪化が引き起こす悲劇

「糖質制限したら便秘になった、なんて話をよく聞きますよね。

糖質制限で、胃腸の動きが悪くなっているのも原因だと思いますよ。

それに、糖質制限するとタンパク質や脂肪分でカロリーを補います。

腸内細菌には善玉菌と悪玉菌がいますが、悪玉菌のえさはタンパク質。

糖質制限によって、腸内が悪玉菌に都合のよい環境になってしまうんですね。

腸内環境が悪化すると、やはり便秘になるほか、免疫力が落ちてガンなどの様々な病気になったり、太る原因にもなるんですよ。」

なるほど、糖質制限で便秘になるのはそういうことだったんですね。

ところで、腸内環境の悪化で太るとは、どういうことでしょうか?

糖質制限でデブ菌が増加?

「腸内の善玉菌は短鎖脂肪酸という物質を作ってくれるんですが、悪玉菌が優勢になってしまうと作る量が非常に少なくなってしまうんです。

短鎖脂肪酸は、人の体に吸収されると、体脂肪の燃焼を促進させてくれたりしてくれる痩せ物質なんですね。

つまり、腸内環境の悪化で太りやすい体質になってしまうということなんですよ。

このように、糖質制限すると筋肉が減り、腸内の痩せ菌も減るので、糖質制限をやめた途端に体重が大幅に増えてしまうことになるんです。

しかし、実はまだほかにも太りやすくなる要素があるんですよ。」

ええ!? まだあるんですか?

糖質制限、かなりヤバいじゃないですか!(もちろん悪い意味で)

まだまだある、糖質制限で太りやすくなる理由

「以前、NHKのガッテンでもやっていましたが、過度のカロリー制限をすると脂肪肝になりやすいんです。

それに、タンパク質の過剰摂取は、肝臓に大きな負担になるんですよ。

ですから、厳格な糖質制限をしていると、肝機能障害になるリスクが高まるんです。

また、タンパク質のとり過ぎは腎臓にも負担をかけます。

腎機能が落ちると老廃物をうまく排出できなくなるので、むくみ太りになりやすいんですよ。」

うぁあ、体脂肪がつきやすいだけじゃなく、むくみまで・・・ (ll゚Д゚)

糖質制限すると、太りやすい体質になってリバウンドしやすくなることはわかりました。

ほかには、何かありますか?

もうないですよね?

糖質制限でケトン体体質になると・・・

「糖質が体の中で不足すると、ケトン体というエネルギー源物質ができる、と先ほど説明しました。

実は、このケトン体という物質、健康にとても悪いということは、医者の間では常識なんですね。

ケトン体が体の中でたくさん増えると、まず体臭や呼気がケトン臭くなってしまうんですよ。

つまり、とっても臭くなるんです。

これだけでも、かなり嫌なことだと思いますが、もっと深刻な問題が起こるんですよ。」

あ~あ、また深刻な問題ですか・・・

いいでしょう、聞きましょう。

ケトン体の過剰でなるケトアシドーシスとは

「体の中でケトン体が増えすぎると、ケトン血症やケトン尿症という状態になるんです。

すると、強い吐き気を感じたり、ひどい頭痛に悩まされたり、脈が速くなって気分が悪くなったり、貧血で倒れたり・・・。

さらにひどいと、倒れて意識を失ったりするケトアシドーシスという病気になってしまうんですね。

つまり、ケトン中毒になってしまうんですよ。

それに、肝臓はケトン体をエネルギー源ととして利用できないので、糖質制限をすると肝臓は慢性的にエネルギー不足になり、やはり大きな負担を強いることになるんです。」

糖質制限で、ケトン体体質になったぁ!なんて喜んでいる人がいたけど、それって危ないじゃないですか!

では、最後に、正しい糖質制限のやり方を教えてください。

糖質制限ダイエット成功のポイントは血糖値コントロール?

「まず、スーパー糖質制限のように、完全に糖質をとらないダイエットはやめることです。

また、ケトジェニックダイエットやMEC食のように、カロリー摂取をタンパク質と脂肪分だけに頼るような、アンバランスな食事もやめるべきですね。

糖質のとりすぎは、確かに肥満のもとですが・・・

糖質は健康でいるためには必要なものだということも、理解してください。

糖質が中性脂肪になるのは、血糖値が急上昇することが原因。

血糖値が緩やかに上がる糖質スローオンな食事法を実践すれば、炭水化物を食べても太らないですし、体脂肪も燃焼されやすい体質になるんですよ。

糖質スローオンとは、糖質の消化吸収スピードがゆっくりになるような食事法のこと。

糖質制限だけでは体脂肪は燃焼されにくいけど、糖質スローオンの考えを取り入れれば、体脂肪を効率よく減らせるとのことだ。

ストイックな糖質制限は、デメリットだらけ。

焦る気持ちから厳しい糖質制限をしたくなりがちだけど、長い目で見たら、糖質控えめ+糖質スローオンが賢い選択肢なんですね。



 

 

 - 糖質スローオン